ボカンシリーズにおける黒歴史

 

・怪盗きらめきマン


放送までの経緯

この怪盗きらめきマン放映までには、かなりの苦労があったようである。当初は「ヤッターマン2」として企画されていたそうで、きらめきマンのマークが「Y」の形をしているのは、その時の名残であるらしい。『ダッシュマン』、『おしゃれ怪盗キャットール』、『刑事ドロンボー』、『ハイシャクマン』など、様々なタイトルが考えられたのだが、決め手になったのは、企画当時放映されていた、烏龍茶『煌(ファン)』のCM。「煌」の読み方を変えれば、「煌き(きらめき)」と読める。というわけで、怪盗きらめきマンが誕生したのであった。

こうして企画が決まり、ファンに対しては「電撃ビーマガジン」1999年3月号において、ついにその存在が明らかにされたのだが、局にもスポンサーにも恵まれず、放映が正式に決定したのはそれから1年後のことであった。放映局は従来のフジテレビからテレビ東京に変わってしまい、一部地域の方々は放映を見られなくなってしまい、しかも放映時間は水曜の午後6時となったため、ほとんどの旧ファンがビデオ録画しなければ見られない時間の放映となった。さらに放送コードの問題でボカンシリーズの十八番であるお色気シーンが使えなかったりと、様々な制約の中での復活となった。

 

企画段階での設定

電撃ビーマガジンで発表された際に紹介されたキャラデザインは、正式決定する前のものであったため、本放映時に変更されてしまった部分が多数あった。

リップ : 変身前の髪型はストレートのロングヘアで、長さは腰の辺りまであり、色はピンクだった。

パフ : 変身後の髪の色がオレンジだった。

おでかけキャット : 名前は『キャットカー』と紹介されており、目に仮面をつけ、左手に籠を持ったデザインとなっていた。

トッタルニャン : 名前は『ドラキャット』と紹介されており、目のデザインが少々違っていた。

コン&パクト : きらめきマンをサポートする妖精型アンドロイド。レギュラーキャラが多すぎるという理由でボツとなった。

ボンボン・ジュール : 名探偵。上と同じ理由でボツとなってしまった。恐らくは、第23話に登場したマイホームズにデザインが転用されていると思われる。

 

パフのキャラ設定

パフは、リップの危機には強さを発揮するという設定になっていたのだが、実際はリップがパフのピンチを救っていた。

 

キラメール

当初キラメールは、未来からのメールを受信するキャラクターなので『キャラメール』と命名されたのだが、NTTドコモのPHS文字メッセージサービスに同名の商品があることがわかって、現在の名前に変更された。

 

ドグリン

当初ドグリンは、「きらめきドグリン」として、主人公たちのメカとしてデザインされていた。ボディーカラーはヤッターワンのように紅白にして、肩の部分に主人公たちが乗り、普段は土偶型のタイムマシンとして使用され、戦闘時には8頭身の巨大メカに変形する……はずだったのだが、怪盗メカとしては今ひとつイメージが合わない、ということで、刑事トリオの黒幕として登場することになった。

 

他の警察署とは管轄が違う

毎回、花の刑事トリオと捜査1課がきらめきマンが逮捕しようとして失敗しているのですが、きらめきマンが起こしているのは窃盗事件なので、本来なら傷害事件などは捜査1課、きらめきマンに関連した事件は捜査3課が担当しなくてはならない。(情報提供:なおさん)

 

強盗きらめきマン(その1)

パフによると、怪盗と泥棒の違いは、予告状を出してから盗みに行くか否かにあるらしい。しかし、第17話においてきらめきマンは、リップがテスト勉強で忙しかったという理由で、5分後に盗みに行くと予告して出撃していった。ジャスティ・ガード氏の屋敷は町外れにあり、ジュテーム署から5分で間に合う訳がないというのに……。

 

強盗きらめきマン(その2)

第18話において、きらめきマンが予告状を出したシバレール氏の屋敷は、ヒエールが設計しており、トラップもセキュリティーも完璧のはずであった。しかしきらめきマンは、トッタルニャンを使って壁を破壊すると、無理矢理内部に潜入してしまったのであった。

 

ストーリーの前提を覆す恐るべき事実

第18話において、ゴールドアイ候補はわざわざ盗み出さなくてもその場で鑑定できる事が判明した。つまり、予告状を出して盗み出す必要など、全くなかったのである。

 

鷹の台博士とジコケンオー

第20話で、鷹の台博士がジコケンオーに向かって

「超AIは、戦うマシンを造るためのものじゃない。人とロボットが心を通い合わせ、友達になるために造られたんだ(後略)」

と言っていましたが…だったら、何故、武器(無敵ソード)持ってるんですか?(情報提供:やまさん)

 

強盗きらめきマン(その3)

第21話でオンドレーが読んでいた雑誌『KIRAMEKI WEEKRY』には、「巷で評判の怪盗きらめきマン。その態度はいたって紳士的であり、盗んだ物を持ち主に返す誠実ぶりに、人々の人気は上昇中」という記事が掲載されていた。しかし、雑誌に写真が載っていたホラー氏の屋敷では、パフが前後の見境なくソンビを壊しまくっていた。それなのに、態度が紳士的と評価されるとは……。

 

あの善玉が……

22話で、今週の反省会で、刑事トリオがUFOチャッキャーのぬいぐるみになっているシーンがあります。タイムボカンからイッパツマンっぽいぬいぐるみがたくさんあるのに、どーみてもイタダキマンっぽいらしいぬいぐるみがどー見ても有りません。(情報提供:タイムボカンファンさん)

 

南千住

第25話『お手柄刑事トリオ』でルージュがリップを取り調べているとき、リップが住所を「オーグオンシティ南千住6丁目」と答えると、シャトーが「南千住は3丁目までだ!」とツッコみますが、南千住は6丁目までちゃんとあります。

※あくまで「オーグオンシティの南千住」ということならおかしくはありませんが、そうすると内輪ネタ自体が意味のないものになってしまうので、黒歴史にすべきだと判断します。(情報提供:タイムボカンスキーさん)

 

釈放して良かったのか

きらめきマンは敵の黒幕を突き止めるためにわざと逮捕されたものの、被害届が無かった事を理由に釈放されている。

だが窃盗の場合、親族間によるものでなければ、被害があるという訴えが無い場合は罪に問われない、親告罪には該当しないので本来ならきらめきマンを釈放してはならないのだ。(情報提供:なおさん)

 

ニイガタじゃない

怪盗きらめきマンが放映される直前の2000年3月31日、朝日新聞の夕刊に、笹川ひろしさんと小原乃梨子さんの対談記事が掲載された。この対談はボカンシリーズ復活に関しての話題が中心だったのだが、その中で小原さんは、「警察の不祥事が続いている時に刑事の役っていうのが面白いですね。世直ししなくっちゃ。『わたしたちはニイガタじゃないのよー!』ってセリフで叫びたいわ。」と話していた。そんなわけで、いつ叫ぶのか楽しみに待っていたのだが、最後までこのセリフを叫ぶことはなかった。


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