ヤッター!オタスケ!イッパツ!

「ボカンシリーズ傑作選andビックリドッキリトークイベント」

参加レポート


開催日:2009年3月14日・15日

料金:予約2,800円(当日3,300円)、2日通し予約5,000円

会場:川崎 シネマバー・ザ・グリソムギャング

 

<イベント開始までの流れ>

14:30に開場入り。クリソムギャングはシアターとバースペースが独立しており、まずはバースペースにて受付となりました。受付を済ませると、抽選くじを一枚引けるというので引いてみると、新ヤッターマンのシールが当たりました。くじの景品は他に、怪盗きらめきマンのポストカードや新ヤッターマンのフィギアが用意されていました。

14:45になるとシアターが開場となり、受付順に中に入っていきました。スクリーン横のスペースには、三冠王と大巨神のイラストが飾ってありました。

   

 

<上映会>

まずは主催のアタリメ様より挨拶があり、それから三本続けて上映となりました。今回上映されたフィルムはタツノコプロ様からマスターテープを借りてこられたとのことで、CMが入るタイミングでフィルムが暗転し、カウントダウン後に再開、という形で上映が続きました。こうした上映会で制作会社がマスターテープを貸してくれることは珍しい(昔は気軽に貸してくれたそうですが、気に入ったシーンを切り取る人がいたりして厳しくなったそうです)とのことで、非常に貴重なフィルムを拝見できて感動しました。

・上映作品について

ヤッターマン第9話:『アフリシャ探検だコロン』

*どう見てもコスプレをした豪速球にしか見えないアーザンが登場する回です。上映作品は全て、次回予告やエンディングも放映されたのですが、なぜかこの作品のエンディングだけ、映像は第9話(前期ED)なのに曲が『ドロンボーのシラーケッ』(後期ED)という、ある意味貴重な映像が上映されました。

オタスケマン第50話:『パトロール隊のタイム遠足』

*登場キャラが五・七・五で会話するという珍しい回です。かなり特徴的な回ですが、小山カメラマンはたくさん脚本を書かれている影響で、今回見るまでこの話のことを忘れていたそうです。

逆転イッパツマン第30話:『シリーズ初!悪が勝つ』

*全国の悪玉ファンを狂喜させた伝説の回です。やはり何度見ても面白いです。

 

上映会終了後、アタリメ様より、笹川ひろしさんからファン宛に預かってきたというメッセージが読み上げられました。このメッセージの中に、ある重大ニュースが含まれていたのですが、公表はNGとのことですので、詳細はお伝えできません。そのうち良いニュースが流れると思います。

(2009年5月10日追記 : この重大ニュースとは、劇場映画公開決定のことです)

 

<トークショー・1日目>

1日目のゲストは大河原邦男さんと小山カメラマンでした。参加者全員による「小山カメラマン、大河原先生〜!」の呼びかけに応じてお二人が登場。アタリメ様が司会進行をする形でトークショーが始まったのですが、オフレコな内容が多くて非常に楽しかったです。公表しても差し支えないと思われる部分では、こんなお話をされてましたので、ご紹介します。(データベース等に掲載済みの話は省略しています)

 

・ 小山カメラマンはボカンシリーズの新作として『メデタイマン』を企画していたが、その前に新ヤッターマンの放映が決まった。

・ 新ヤッターマンの芸能人路線は、テレビ局の主導だった。

・ 新ヤッターマンには今後、オリジナルのヤッターメカが登場する予定 。(3体ほど具体名をおっしゃってましたが危険なので伏せておきます)

・ 3月16日の放映に登場したイカリブターンは、当初嵐のPV用にデザインしたメカであったが、おだてブタが良いとリクエストがあったので変更した。

・ ワダアッコーは当初どぎつい目をしていたが、ホリプロから修正するよう言われて直した。更に修正するよう言われたのでもっと優しい目にしたら、イメージと違うので元に戻してくれと言われて今の形になった。

・ 大河原さんお気に入りのメカは、王道復古のロリコンダー・セーラームンムン・オバンバーの3体と、ヤゴマリンである。

・ おだてブタが登る椰子の木をデザインしたのは大河原さんである。

・ 大巨神の内部図(上記写真参照)は整合性を考えずにデザインしたので、どこにどんな部品が使われているのか自分でも分からない。

・ メカはおもちゃになることが前提なので、子供が指を挟まないようなデザインにしたり、誤飲防止のために小さい部品を作らないようにしている。

・ オタスケマンの『武蔵野市の宮村義人君メカ』は、当初さだまさしの顔メカであったが、大人の事情で変更になった。

・ 天野さんはアニメの仕事をやりたがっているのだが、秘書が通してくれないらしい。

・ 小山カメラマンが初めて担当した脚本は、いなかっぺ大将のある1話であるが、いざ放映されるとタイトル以外全て変えられてしまい、自分が書いた部分が全然残っていなかった。その悔しさを教訓にして、それからは変更されようのない脚本を書くことを心がけるようになった。この一件がなかったら、今の自分はなかったかもしれない。

・ ヒゲノ部長は当初名前すらない脇役であったが、声を演じていた長堀芳夫さんの演技が面白かったため出番が増えていき、最終的に重要な役目を持つキャラに変貌した。同じく今市も、千葉繁さんの演技が面白かったのでどんどん出番が増えた。

・ 小山カメラマンが気に入っているキャラは、ヒゲノ部長と今市と星ハルカである。そして最も気に入っているのが、小山カメラマンそのものである。ヤットデタマン放映当時、電車で女子高生が「あの人、小山カメラマンみたいに背が大きいわね」と話しているのが聞こえてきて、思わず「本人です」と名乗りそうになったことがある。

・ コクピットメカは当たり外れが大きかった。

・ ドラゴンボールの実写映画は酷い内容である。映画としての形にもなっていない。

 

トークショー終了後、質問タイムを経てサインタイムになったので、私も用意してきた色紙にサインを書いていただきました。小山カメラマンには『タイムボカン脚本家』としてサインを書いてもらったのですが、大河原さんには特にリクエストしなかったら『起動戦士GUNDAMデザイン』としてのサインを頂きました。私はガンダムも好きなので、これはこれでオッケーでした。ちなみに、サインする品は色紙と決まっていたわけではなく、カードや本やプラモの箱にサインを貰っている方もいました。この後、希望者のみで懇親会が開かれたのですが、私は翌日もイベント参加予定だったのでそのまま帰りました。


 

<トークショー・2日目>

開場から上映会までの流れは前日と同じだったので省略します。二日目のトークイベントのゲストはたてかべ和也さんと小山カメラマン、そしてたてかべさんのお付として、声優の矢口アサミさんもご一緒に登場しました。昨日のトークショーとは違って小山カメラマンがほとんど喋らず、たてかべさんが8割以上も喋り続けていたのが印象的でした。そしてトークの間に、こんな特別イベントもありました。

・ たてかべさんが『ジャイアンの歌』を熱唱、続いて暗い歌詞の『元・ジャイアンの歌』を寂しげに歌唱

・ 矢口さんがアムロ役、たてかべさんがシャア役でのアフレコ(一回目はジャイアンそのまま、二回目は二枚目の声で演じてました)

・ 矢口さんがくちぱっち(映画たまごっちに登場)役、たてかべさんがジャイアン役でのアフレコ

 

ちなみにトークショーでは、こんな話をされてました。(一部懇親会での話も含みます)

・ 八奈美さんは天然でボヤッキーを演じている。計算とかはしていないと思う。

・ 小原さんは言葉に気を使う方で、『馬鹿』とか『ずらかる』といった言葉を収録で使わない。脚本に書いてあっても別の言葉に差し替えて、絶対に使わない。たてかべさん自身も、ジャイアン役では一度も『馬鹿野郎』と言ったことがない。

・ 富山敬さんは真面目な天才だった。真面目だったゆえに病気になってしまった。皆でお酒を飲む時も、一人で沢山のお酒を飲んでいることが多かった。

・ たてかべさんは吉田竜夫さんに気に入られていたので、タツノコ作品に毎回出演していた。

・ 大巨神のネーミングで「なぜ巨人なんだ」と怒った話は本当。

・ 山寺さんはアフレコ現場で新人をちゃん付けで呼んで緊張をほぐすなど、場の雰囲気を作るのが非常に上手な方である。大ベテラン(三悪)と新人の橋渡しの役目を、自ら積極的に引き受けている。

・ 山寺さんを新ヤッターマンに起用する際、色々あって話が流れかけたりしたのだが、どうにか参加してもらえた。参加してもらえて本当に良かったと思っている。

・ アフレコでは三悪が等間隔に並び、その間に新人が入る形で収録している。

・ 芸能人とは基本的に別撮りで顔を合わせていないが、ルー大柴さんだけは一緒の録音だった。その際も山寺さんは橋渡しの役目を行っていた。

・ ジャイアンを長くやっていた影響で、初対面の人に怖がられる傾向にある。実写映画のロケでケンドーコバヤシさんとお会いした時にも怖がられた。

・ ジャイアンをやっていて一番叫んだセリフは、「待てのび太!」である。

 

トーク終了後、質問タイムになったので、私は『小山カメラマンが関わった上でのボカン新作放映の可能性』について聞いてみたのですが、色々事情があって、当面は難しいとのことです。その後のサインタイムでは、昨日と同じように各自が用意した品にサインをしてもらったのですが、それとは別に、たてかべさんがヤッターマンシールの裏側にサインをしたものを配布してくださったので感激しました。小山カメラマンにも二日連続サインを貰ってかまわないか聞いたところ、快く了承してくださったので、今度は『ドラゴンボール脚本家』としてのサインを頂きました。

そしてイベント終了後、希望者のみで懇親会が開かれたのですが、今回は私も参加しました。会場近くのお好み焼き屋で、小山カメラマンとたてかべさんと矢口さんをお招きして、お酒を飲みつつ話をしたのですが、私は運良くたてかべさんの隣の席に座ることができました。せっかくの機会なので色々な質問をしてみたのですが、たてかべさんはとても気さくな方で、私のマニアックな質問にも丁寧なお返事を頂けました。以下、私の質問した内容と、その答えです。

 

Q.新ヤッターマンでも、アフレコ終了後にスタッフ全員で飲みに行ったりしているのですか?

A.昔と収録時間が変わって、今は3時ぐらいに終わるのでできなくなった。たまに飲み会をやることはある。
 

Q.オタスケマン放映時、ボイラー室で山本正行さんの特訓を行ったそうですが?

A.具体的な喋り方を指示したわけではなく、山本さんの声の特長を活かせるような指導をしていた。
 

Q.先日の新ヤッターマンで、トンズラーが芸能プロダクションのマネージャーをやっているシーンがあったのですが、あの時トンズラーがマネージメントしていた女性はモデルがいるのですか?

A.そのシーンを覚えてないので……。
 

Q.芸能人が本人役で登場することについて、どうお考えですか?

A.時代の流れだから仕方ないけど、本職でやってる人が演じた方が、作品が面白くなることが多い。
 

Q.最近トンズラーがコクピット内で遊んでいたりと、全然活躍してないのですが?

A.それは演出の問題だけど、セリフが少ないのは体調的な意味では嬉しい。

 

他の参加者の方も色々な質問をしていたのですが、たてかべさんはどの質問にも丁寧に答えてくださいました。ジャイアン関連の質問が多かったのですが、色々な声優さんに関する興味深い話も沢山聞けて、非常に面白かったです。そんなわけで、懇親会は大いに盛り上がって終了したのですが、最後にたてかべさんに、『今日のイベントに参加できなかったファンに一言』とお願いしたところ、以下のお言葉を頂きましたので、ご紹介します。

・ トンズラーは使命である。やれる限りはやります。

・ ファンと触れ合えて楽しかった。呼ばれればまた来ます。

・ トンズラーをやってて良かった。やらせてもらえて良かった。

・ ファンに会えて楽しかった。

 

そんなわけで、ボカンシリーズの大御所の方と直に触れ合うことができて、夢のような二日間でした。主催者のアタリメ様には本当に感謝です。

   


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