ボカンシリーズにおける黒歴史
・その他
タツノコアニメワールド島の謎
1999年12月31日、TBS系列で年末タツノコアニメスペシャルが放映された。UBOと名乗る宇宙人がハクション大魔王の壷を手に入れるためにタツノコアニメワールド島を訪れる、という話なのだが、あらゆる点で謎が残り、黒歴史と呼ぶにふさわしい内容になっている。以下、気になった点をまとめてみた。
タツノッコン王国との関係
タツノコアニメワールド島には、過去のタツノコアニメに登場したキャラが一同に暮らしている。そう聞くと連想されるのが、タイムボカン王道復古に登場したタツノッコン王国なのだが、この2つがどのような関係にあるのかについては一切不明である。しかしよく観察してみると、両者には決定的な違いが存在している。
1.声の相違
タツノコアニメワールド島の住民の大半は、原作とは似ても似つかない声をしている。ボカンシリーズのキャラについては、3悪のみオリジナルと同じ声で、善玉は全員別人の声であった。
2.ヤッターワンの存在
この作品が放映されたのは1999年末で、王道復古が放映されたのが1993年である。つまりこの作品は、王道復古から6年経過した世界となるはずである。それなのに、なぜかヤッターマンが初代ヤッターワンに乗って登場していた。
3.未婚のドロンジョ
王道復古放映後ということは、すでにドロンジョは結婚して子供もいるはずなのに、なぜかボヤッキーに「嫁の貰い手がない」と馬鹿にされていた。
4.貧乏なドロンボー一味
平成タイムボカンが放映されたのは1996年であり、この放映の3年前の話となる。ということは、ドロンボー一味は大金持ちになっているはずなのに、なぜか「大魔王に頼んで貧乏生活とおさらば」と言っていた。
5.死亡したキャラの存在
ベルク・カッツェとブライキング・ボスは、それぞれ本放映の最終回で死亡しているはずなのだが、なぜか堂々と登場している。
というわけで、これらの事実から推察される結論は、以下の通りである。
タツノッコン王国 : 原作と同じ声のキャラしか登場していない = 本物のタツノコキャラが暮らしている町。
タツノコアニメワールド島 : 声が違う・設定がおかしい・死んだはずのキャラが堂々と存在している = タツノコキャラの偽者が暮らしている、黒歴史扱いされるにふさわしい怪しげな島。
重大な事実
上の項目で述べたように、この島の存在は黒歴史そのものといえる。しかし、3悪に関する設定については、見逃せないある重大な事実が発覚している。
タツノコアニメワールド島には、ドロンボー一味が経営している骨董品店が登場している。店の広告をインターネットで公開しており、その宣伝文句は「『タイム骨董、なんでもや』 未来の珍品、過去の珍品、なんでもあるマージョ屋敷へ!」となっていた。作中でカンちゃん(ハクション大魔王に登場)とUBOは、大魔王の壷を探すためにこの店を訪れるのだが、その際にドロンボー一味が以下の会話をしている。
ボヤッキー「お客さん、それ(タイムガイコッツ)は売り物じゃありません。それはね、あっしの親戚が商売の品物集めに出掛けるタイムマシンでさあ」
トンズラー「この写真見てみい、タイムボカンチームのマージョさま達や」
ボヤッキー「そ、このタイムマシン『タイムガイコッツ号』で、タイム旅行してんのよ。で、我々ドロンボーチームが、この人達が未来や過去から持ってきた商品をインチキ商売で高く売りつけるのがお仕事なわけ。そうですよねドロンジョさま?」
ドロンジョ「お前は一言多いんだよ、インチキは無しだよ」
上記のセリフは、かなり衝撃的な内容である。というのも、今まで3悪がそっくりなのは、他人の空似であると思われていたのだが、このセリフによって、少なくともボヤッキーとグロッキーの間に血縁関係が存在していることが判明したのである。ちなみに、ボカンシリーズの本放映において、彼等に血縁関係があることは一切明らかにされておらず、この放映のこの発言によって初めて判明したのである。ただし、この作品を黒歴史認定してしまうと、この事実も無かったことにされてしまうわけですが……。
やっぱり登場しないあの善玉
ボカンシリーズの善玉は、丹平&淳子からイッパツマンまで全て登場しているのだが、なぜかイタダキマンだけ登場していない。こういう細かい点からも、タツノコプロがイタダキマンのことをどう思っているのかが垣間見えます。
それよりなにより
この放送の最大の黒歴史は、「TBS系列で放送された事」だと思います。(情報提供:とりすがさん)