タイムボカン最終回
第61話「ダイナモンドを発見だペッチャ」
脚本:滝三朗
演出:布川郁司
シンドバットの時代から現代に帰る途中、ドタバッタンのタイム電池が限界を迎えてしまった。このままではタイムトンネルで遭難してしまう、そう考えた彼等は、どこともわからぬ時代に不時着した。
研究所に丹平達が帰ってきていない事に気付いたマージョ達は、彼等がタイムトンネルの途中でダイナモンドを発見したのだと考え、グロッキーが先週ドタバッタンに取り付けておいた誘導メカを使い、後を追いかける事になった。いつものように「それゆけガイコッツ」を歌いながら、マージョ達は出発した。
その頃、ようやく目を覚ました丹平達。タイムゲージが壊れていたためどこの時代に不時着したのかわからなかったが、とりあえず外に出てみる事にした。煙を吐き出している山を見つけた木江田博士とペラ助は、この時代が前に自分達がいた時代、つまりダイナモンドのある時代であることに気が付いた。ペラ助がオタケさんの名を呼びかけると、そこにオタケさんがやってきた。ついにペラ助は、オタケさんと再会できたのであった。そして博士は、丹平達を連れてダイナモンドのある場所へと出発した。
一方マージョ達も、ようやくこの時代へとやってきた。こちらもタイムゲージが壊れてしまったために、どこの時代に着いたのかわからなかったが、コクピットに備え付けておいたダイナモンド探知器が反応し始めた。それを見て大喜びのマージョは、早速ダイナモンドを探しに行く事にした。
外に出た彼等は、そこにポップコーンの袋が落ちているのを見つけた。さらにレールを発見し、その上をジェットコースターが走り去っていった。
マージョ「うーん、ここは一体………?」
グロッキー「あのマージョ様恐れ入りますが、ここはその、現代じゃないかと………、その……」
マージョ「現代? そんな馬鹿な。現代にダイナモンドがあろうはずがないじゃないか」
グロッキー「でもあのジェットコースターといい子供達といい、ここは遊園地じゃないかと………」
マージョ「そんなはずないよ。あたしの辞書によると、現代にダイナモンドがあることはないの」
グロッキー「でもここは現代だと思うけど……」
マージョ「そんなはずはないの。でも、そうかしら……?」
(ここでカメラが徐々に引いていき、その場所がどこであったのかが分かった。なんとそこは、丹平達の家とマージョ達の家のちょうど中間の位置にある、遊園地の中であった………)
丹平達はダイナモンドのある場所に到着した。少し遅れて、そこにマージョ達もやってきた。ダイナモンドの山を見て狂喜したマージョは、丹平達を押しのけてダイナモンドに近づいた。
マージョ「ダ、ダ、ダ、ダイナモンド……、夢にまで見たダイナモンドの山………。あたしはもうこれで、世界のマージョになれるんだわ………! グロッキー、ワルサー、早いとこ残らず運ぶんだよ」
二人「はい、マージョ様!」
丹平「じょ、冗談じゃないぜ、おまえ達にダイナモンドを渡してなるものか!」
しかし、ここでダイナモンドに異変が起こった。ダイナモンドは彼等の目の前でみるみる輝きを失っていき、ただの石ころと化してしまった。ダイナモンドは宇宙からの特殊な隕石で、それが地球の空気に触れるにつれて輝きを失ったのであった。
マージョ「こんな物のために、あたしの全財産を果たしちゃったんだよ。あたしゃもう無一文なんだよ……!」
怒りの収まらないマージョは、最後の決戦を丹平達に申し込んだ。マージョ達のサイメカは、ドタバッタンをあと一歩の所まで追いつめたのだが、詰めが甘かったために敗北。爆風で飛ばされたガイコッツによりマージョの館は半壊、ガイコッツ自体も真っ二つになってしまった。そしてその夜マージョ達は、いずこへと去っていったのであった………。