イタダキマン最終回
第20話「イタダキマンよどこへ行く」
脚本:筒井ともみ
演出:新田義方
トンタッキーの草競馬に出場する事を夢見ていたドン少年とブタのブータンは、ある日オシャカパズルの破片を拾い、馬よりも速く走れるようになった。そして、念願のレースに出場して見事優勝したのであったが、そこに目をつけた悪い場主のガバールとヤンヤン達によって、ブータンが誘拐されてしまう。
ガバールとヤンヤン達は、盗んだブタを使ってレースで大もうけしていた。ある夜、ヤンヤン達はガバールを睡眠薬で眠らせてブータンを一人占めにしようとしたのだが、馬小屋にブータンの姿はなかった。ブータンを探しに森の中へ入ったヤンヤン達は、空作がオチャカ校長と話をしているのを目撃する。空作に騙されていた事を知った三人は彼に詰め寄ったのだが、その隙に一緒にいたブータンが逃げ出してしまう。三人はその後を追いかけ、なんとかパズルを手に入れた。そして、竜子を呼び寄せて馬メカに乗り込んだ。
たてまえトリオを蹴散らし、オモンキを倒した三人は、その場で宴会をはじめた。しかしそのせいでオモンキのシンバルが偶然作動してしまい、イタダキマンが呼び寄せられてしまう。それに気付いたダサイネンは、全速力で逃げ出した。
ダサイネン「このままぶっちぎれば僕ちゃん達の勝利よね」
ヤンヤン「逃げて帰ったところで、どうなるって言うのさ?」
ダサイネン「ウッシャイウッシャイウッシャイ、勝ち逃げのどこが悪いんだよ!」
ヤンヤン「そうやって逃げてばかりいて、真実の勝利が勝ち取れると思うの? 悪役のプライドはどこにいったんだ!」
その言葉に反省したダサイネンは、イタダキマンと戦う決意をした。しかし、どんな攻撃を仕掛けてもイタダキマンにダメージを与える事ができない。結局馬メカは、イタダキマンの出した偽ニンジンメカに騙されて、あっけなく爆発したのであった。
法子達がオシャカ学園に戻ると、なぜかオシャカパズルが膨張しており、完成まで残り一つとなっていた。早速手に入れたパズルをはめ込むと、パズルが光り出した。そして、その場にいた法子達、オチャカ校長、カンノ先生、それに完成したパズルを横取りしようと乱入してきたヤンヤン達の体が浮きあがった。
オチャカ校長「手じゃ、手を握り合うのじゃ!」
その言葉に全員が手をつなぎあうと光は沈静化し、パズルを保管していた地球儀がひっくり返った。
オチャカ「おお、地球がひっくり返った……。おお、おお、み、見たまえ皆の衆、これじゃ、これこそオシャカ様の教え、『友達の輪』、『友達の輪』じゃ……」
ダサイネン「そうだったのか……」
と、その言葉に、法子達は悪玉トリオがいた事に気がついた。すると突然、ダサイネンの顔がシリアスになった。
ダサイネン「シャラーップ! 俺達がいつの間にやってきたか、そんなことは問題じゃない。『友達の輪』だよ、『友達の輪』。分かるかね、高校生……」
その他全員「えっ……?」
ダサイネン「じゃ、そういうところで失礼します」
トンメンタンは、呆然としているヤンヤンを連れて、ドアから出て行った。ダサイネンも、その後に続いて部屋から出て行こうとした。
ダサイネン「フッ、『友達の輪』か、なるほど、それもいいだろう。だが忘れるなよ。この世の中、『友達の輪』だけで回るもんじゃねえんだと。善玉と悪玉が手を握り合っちゃ、話が進まねえんだ!」
そう言い残し、出ていくダサイネン。最後までシリアスだった彼を、法子達、オチャカ校長、カンノ先生は、あ然として見送るしかなかった。
パズル探しを終えた法子達は、普通の高校生に戻った。一方ヤンヤン達も、今度こそオシャカ学園高等部に入学しようと、決意を新たに浪人生活を送るのであった。
そして空作はただ一人、母を捜すため旅立つのであった………。
(製作協力:架奈さん)